鋼撃騎士団が”彼女”と接触したのは、とある人身売買組織の地下室だった。
むせかえるような濃度の淫気。
その地下室の中には一人の淫魔と、床に倒れ込んだ数人の男女。
淫魔の両手には手枷が掛けられ、その翼には多重封印が刺青でいれられている。
よく見れば地下室全体にも幾つもの結界陣が刻まれていた。
「クレイモア」
剣帝ヴァレンティーナの問いに彼女は自分の名を告げた。
クレイモア――(※1)危険等級AAクラスの魔族。
サキュバス達の女帝、「淫帝クレイモア」
人身売買組織は彼女をただのサキュバスとでも思って捕獲した気になっていたのだろう。
封印によってその魔力と自由を奪われたサキュバスは、高度な技能をもった奴隷として
高値で取引されているのだ。
だが、魔王が一人である彼女を御するにはあまりにも稚拙な魔術式だった。
せいぜい彼女から出ている淫気を封じるくらいしかできていないのだ。
さらに、封じられている現状でも、通常の魔族とは比較にならない濃度の淫気を出していた。
彼女いわく、「捕らえられていてあげた」だそうだ。
ここにいれば何も苦労せずに人の精力と生命力をすする事ができたから。
その気になれば一瞬で封印を除去し、王都…いやフィラデルヒア全土をその淫気で狂わせる事もできたのだ……。
彼女はいま契約と合意のもと、フィラデルヒア王城において監視下(制御下)に置かれている。
いかに彼女にその意思がないとはいえ、
戯れで国を滅ぼしかねない存在を解放する事はできないのだ。
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淫帝クレイモア
全ての淫魔達の王であり、最強のサキュバス。
その淫気からは例え同族の者や魔族、神族であっても逃れることはできないと言われている。
現に、いまの彼女の眷属の淫魔の65%は呪帝戦争期に堕落させた天使である。(本人談)
その淫気の影響範囲はゆうに一国家の国土面積に匹敵する。
現在彼女は次の条件をつけられてフィラデルヒアの監視下に置かれている。
「王族を除く全てのフィラデルヒア住人を自由にできる。
ただしその生命を危険にさらしたり、下僕としない限り」
「フィラデルヒア及びその同盟国家を除いた、
他の地域での行動に付いては一切制限を設けない」
「人は汝に危害を加えない。
前記の二つを破られない限り」
これは純然たる”契約”であり、人がこれを破らない限り、魔族である彼女はこれを破ることはできない。
※1危険等級:魔族や強大な力を持った者に振りつけられる階級。
AAクラスは上から2階級目であり、国家的危険を撒く可能性があるものに振られる。
ちなみに剣帝ヴァレンティーナは個人戦闘能力は高位魔族に匹敵するものの、
それはアクマで個の戦闘力であるため、
この等級に照らしてみたとしてもBクラスである。
なんか突然にこのサイトのマスコット的なキャラを作ってみたくなって描きました(笑
責め受け両方できるキャラ作ろうと思ったらサキュバスになりました。
ギャラリーに別のサキュバスがいますが、髪が同じピンクなのはこの世界でのお約束(設定)です(笑