魔女。

彼女達はいわゆる魔術師の中でも、もっとも古いものに分類される。
彼女達は高位魔族を召喚でき、自然摂理を凌駕し、
低級魔族を意のままに使役する事が出来る。

しかし、魔術師と違い、魔女となれる者は限られている。

純潔の処女。 (※1)魔属であること。 血統。
魔女に必要とされるものである。
この条件を満たしている者が、魔族と盟約(もしくは契約)を結ぶことで
はれて魔女となるのだ。

精霊魔術の進歩や、魔道技術の進化により、
リスクの伴う魔女は現在では廃れている。

我々はそんな魔女となるための儀式、「交魔式」に立ち会う事が出来た。

今回儀式を行うのは深紅の髪と瞳の、現代では稀少種となった純血統の魔女の少女だった。
術式は、驚くべきことに忌術とされる(※2)第十三式だった。

少女が人差し指にナイフで切り傷をつくり、そこから雫となった血液が
魔法陣に滴っていく。
その血液がやがて蒸発していくかのように真紅の煙をあげはじめると、
その煙にあてられている少女の顔に徐々に恍惚としたものが浮かび始めた。

少女がへたり込んだ瞬間、魔法陣から大量の触手がせり出てきた。
全身を触手に絡み取られた少女は
触手(おそらく魔族の身体の一部)によって愛撫され始める。

1本の触手が少女の秘裂に粘液をすり込んでいたかと、
いきなりその中に潜り込んだ。
直後、少女はおそらくは生涯初めてであろう絶頂に突き上げられた。

彼女が絶頂を迎えても、触手は動きをやめない。
それどころか排泄部や尿道にも細い触手が潜りはじめる。
その感触に彼女は再び嬌声をあげはじめた。

文献が正しければ、いま彼女は処女であったにも関わらず、
触手の分泌している体液によって、性的に開発された者の
さらに数十倍の感度を与えられているはずだ。



おそらく、全身が性感帯となっているのであろう。
触手が彼女を軽く絞めつけ、動いただけで絶頂に達している。


式が終了するまで、失神する事がなければ、魔族との間に盟約が結ばれ、
魔女となる事が出来る。
もし失神してしまったとしても、契約が結ばれ、魔女となる。
ただしこの場合は、魂が魔族に縛られ、
従属関係が結ばれることとなる。

おそらく彼女は式が終わるまで耐えきる事は出来ないであろう。
そして、過去においても、式を完全に終えることができた者は
右手で数えられるほどしかいない……。






※1 魔属:人間には産まれつき聖属、無属、魔属いった属性がついている。
なお、これは個人の人格などには影響しない。
血液型のような物と考えられている。


※2  第十三式:交魔式の中でも上位に位置する儀式。
その内容は、13時間13分13秒にわたって契約対象の魔族に身体を与え、
それに耐えきるというものである。
他の非忌術式のように、達してはいけないという制限はないが、
その長時間の人外の攻めに耐えきる事は不可能に近いだろう。